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現地研修:春日井市文化財課(2019.08.31)

歴史の里マイスターの会現地研修として、2019年8月31日 春日井市文化財課 浅田博造さんに講義をしていただきました。


春日井市にある味美二子山古墳について、写真も交えながら説明を受けました。
昭和11年に国の史跡に指定されたため、詳しい発掘調査は行われていません。

1991年に公園整備のため周溝の外側を発掘調査したところ、円筒埴輪をはじめ家形・人物・馬形などの形象埴輪も数多く出土したそうです。

 

造り出しの墳丘の外に配列しているのは、今城塚古墳と似たような祭祀が行われていたのではないかと推測。

 

須恵器も多く出土したそうですが、細かく砕いたものもあり、器種によってはわざと打ち砕いて埋めたのではと思われるものがあったようです。

味美二子山古墳は、名古屋の味鋺地区とも近く、時期も同じ古墳があり、同じ古墳群と見る説もあるそうです。


そして出土した埴輪は、須恵質で、高温焼成で作られており、轆轤を使いハケ目の調整が見られることから、須恵器生産の技術で造られているのが特徴。

 

 

 

午後からは展示室に場所をかえ、実際の埴輪を見ながら尾張型埴輪の特徴について説明してもらいました。


味美二子山古墳が作られた5世紀末から六世紀前葉は、それまで近畿地方で作られた埴輪の特徴から少し変化が見られます

 

この地方にある須恵器生産に関っている技術者が同じ窯で生産していたとみられます。

 

春日井市にある下原古窯との関係も興味深いです。

須恵器技術の応用で埴輪の規格が一定で、二突帯三段の円筒埴輪が基本。
轆轤でハケ目調整が行われており、轆轤からはずすときに埴輪に金属の工具跡や縄ズレのあとが残る。
形も五世紀の埴輪のまっすぐな形から、上部が広がり底部が小さい。突帯の位置も低くなる。


実物を見ながら、製作工程を説明してもらいました。