【歴史の里】は名古屋市守山区上志段味地区に広がり、古墳66基を擁する地域を指す。多くのガイドさんがいて面白い話が聞けるのがうれしい。
この地区に大きな大久手池があり、周辺に幾つかの古墳がある。その一つの古墳の脇に「マメナシ」が生えている。絶滅危惧種に指定されているのだが、東海層群にしか生育しない。全国に500株以下と言われる希少植物だが、人類にとって大変重要な植物である。マメナシは氷河期の生き残りと言われる。この木が消滅したときが人間様の最後と言うことだろう。
マメナシは「ソメイヨシノ」が散ったころ白い花輪を開き、小さなナシが実る。 実際はナシではないと言われているが、ナシそっくりの2cmほどの実が珍しい。
古墳巡り客は一様に食べられるの?と聞くけど、渋みが強くて食用には不適。
一般的に一本立の木本(もくほん)だが、歴里では3メートルぐらいのものとその株周りに20~30センチほどの苗のようなものが無数に生えている。これを守り続けることによって私たちの子孫も繁栄できるのだろうと思っている。
勝手な見立てだがマメナシは次の条件が整っていないと生き残れない。
・一般的に湧水が北側から滲み出て来るところ。
・南側に池があることと南側から十分な太陽光が当たるところ。
・里山の外縁のようなところ・・歴史の里では庄内川の段丘上に生育。
※治山治水の完璧な堤防工事で湧水が止まるとマメナシもなくなるよ。
マメナシは自分の住み家を「コマメ」に護っているような気がする。
2020.2.
歴史の里マイスターの会会員
坂下三遊(信夫)