· 

「副葬品から古墳を観(見)る」

 私達は、古墳を観て、古墳の種類、規模などから被葬者の地域での統括力、経済力、そして大和政権との関係などなど、いろいろ思いを巡らして「ロマン」を感じます。

 

 前方後円墳など大型古墳の「型」にこだわり、埴輪の大きさに「目」を奪われがちです。もちろん、大型古墳からは、素晴らしい副葬品が出土します。銅鏡、石製品、馬具、甲冑など当時代の先端の品々です。

 

 古墳時代前期は中国大陸などからの鏡、石製品の釧、小物入れ(合子)、装飾品(勾玉)、鉄鏃。中期は生活に適した道具・農具、馬具、甲冑。後期は装飾的な金銅製品(帯金具・馬具)、多種多様な装飾品が観られます。しかし円墳等、小古墳からも多くの素晴らしい副葬品が出土しています。金環(耳環)、鉄針、五鈴鏡、など、大型古墳と同じような種類の副葬品の出土遺物が資料として保管されています。古墳の大・小を外から観ているだけでは十分ではありません。「副葬品」を調べて「被葬者」を考えることが大切です。副葬品は大和政権を動かしている「豪族」・「大王」から贈られた大切な「宝」ものですから・・・。

 

 ここで、問題が生じます。副葬品を遺物として発掘することは、「埋葬室」から取り出す事になります。都市化のための―道路の敷設、公共の巨大建築物(病院、公的施設などの建設)に先立ち、事前に古墳が調査がされます。しかし、調査とはいえ正常な古墳の副葬品を調査することは「古墳の破壊」になります。今後は、古墳を破壊することなく、科学的な調査をすることが求められます。

 ファイバースコープによる調査は少し古墳を破壊します。レーダー調査、電波探査などが採用され、現在は「素粒子」による内部透視で「箸墓古墳」が調査されています。

 

 でも、やっぱり副葬品は「現物」を自分の「眼」でゆっくり観て楽しみたいですネ!

 

浅井 保司