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大河ドラマ

壬申の乱で活躍した高市皇子の墓か、という説もあるキトラ古墳(奈良県)

 2020年の大河ドラマ「麒麟がくる」を大変興味深く視聴しています。「裏切者」と評されることの多い明智日向守光秀を別の視点からドラマ化しており、歴史は一面的に考えるものではないと再確認させられます。

 

 我々の会がある愛知や、近隣の岐阜などがクローズアップされ、光秀の出身地の候補の一つとされる可児市もにわかに観光客が増え、盛り上がっているようです。

 

 毎年の大河ドラマを楽しみにしていますが、長年取り上げてほしいと考えている題材があります。それは天武天皇・持統天皇です。天武天皇・持統天皇は愛知や岐阜に関わるエピソードも多く、我々の住む地域が盛り上がることも期待できます。

 古代史は戦国時代や江戸時代と違い、歴史資料が少なく取り上げにくいのですが、この時代は、ドラマとして見ごたえのある物ができると確信しています。

 

 額田王を兄弟(天智天皇と天武天皇)で取りあう恋物語(あくまで説ですが)。朝鮮半島・中国(隋・唐)との国際関係。古代史最大の内戦「壬申の乱」を経て、様々な政治改革に着手する。この国を「日本」と呼び始めたのもこのころといわれ、「古事記」「日本書紀」などの歴史書の編纂、官職や朝廷制度の改革も。少し後ですが、省庁制度の基礎となる仕組みなどは1300年以上を経た現在にも残る改革です。

 

 残念ながら、小学校・中学校の歴史学習では、古代史はボリュームも少なく一面的です。古墳時代もそうですが、日本という国のルーツとなる時代のできごとや文化を理解することは、我々日本人の現在の生き方にも大きなヒントとなりえます。

 大河ドラマはその入り口としてとても有効な手段だと思うので、イケメンや美女をふんだんに使って面白いドラマを作ってほしいものです。

 

 

 歴史の里マイスターの会の活動も、一般的にあまり知られていない古代史を理解していただく一助になれば。(金岡)

写真左:天武・持統天皇の合葬墓といわれる檜隈大内陵(奈良県) 写真右:岐阜県多治見の新羅神社には天武天皇の子、大津皇子に関わりがある人々がこの地に住んだという伝承があります。岐阜県、愛知県にも天武・持統天皇に関係する場所がいくつかあります。