· 

銅鐸博物館と大岩山古墳群

 12月13日(日)歴史の里マイスターの会で滋賀県野洲市の銅鐸博物館と大岩山古墳群へ現地学習に行ってきました。現地では野洲市教育委員会の進藤学芸員に解説いただきながら、日本最大の銅鐸と普段は見ることのできない石室を見学させていただきました。

 

 名古屋駅を出発し、JRを乗り継ぎ野洲駅に到着し、まずは銅鐸博物館へ。

 

 銅鐸博物館では、進藤学芸員から銅鐸の発掘の様子、銅鐸の形式(近畿式と三遠式)とその見分け方、銅鐸の作り方など様々なお話を伺いました。参加者からの質問は尽きることなく、時間ギリギリまでお話しいただきました。

 

 展示室では発掘された銅鐸(レプリカを含む)が展示され圧巻の眺めでした。日本最大の銅鐸の大きさや、銅鐸に刻まれた文様を鑑賞することができました。また、銅鐸の作り方の再現ビデオでは、完成したところで参加者から「お~!」と声が上がりました。

 銅鐸博物館の目の前には「弥生の森歴史公園」があり、復元された竪穴住居や高床倉庫を見学することができます。

 

 博物館に隣接したところには国指定史跡古墳のうちの一つである「宮前二号墳」が築かれています。横穴式石室に入ることができ、石棺も置いてありました。

 

 昼食後、桜生(さくらばさま)史跡公園へ移動。進藤学芸員に案内いただいて古墳を見学しました。

 

 まずは、天王山古墳の墳頂へ。前方後円墳ですが、もともと後円部に埋葬施設があった古墳に、追葬で前方部に横穴式石室を作ったので、後円部と前方部がほぼ同じ高さになったということでした。墳頂では石室の天井石を見ることができます。

 

 

 

 次の円山古墳では石室の中を見学することができました。石室の手前には熊本県宇土半島の馬門石(まかどいし)製の刳抜(くりぬき)式家形石棺があり、その奥には追葬のための組合式石棺があります。写真ではわかりづらいかもしれませんが、奥に組合式石棺の四角い石が見えます。

 

 甲山古墳でも全員で順番に石室に入らせていただけました。長さ2.6m、幅1.6m、高さ1.9mの石棺を囲んで伺った解説はタイムカプセルを覗いているようでした。石棺の中はベンガラにより朱く塗られ、周りは雲母が撒かれてキラキラ光っていたそうです。

 桜生史跡公園から少し離れ、中山道を通り、新幹線の高架をくぐると大塚山古墳に到着します。

 

 大塚山古墳は円墳に造り出しがついていますが、溝により分かれています。写真の真ん中あたりがその溝です。その比率は2対1とのこと。何か意味があったのでしょうか。家、鶏、船などの多数の形象埴輪も見つかったそうです。

 

雨がぱらつき、冷たい風も吹いていましたが、参加者の古代への熱は冷めることはありませんでした。今回、貴重な機会を提供してくださいました、銅鐸博物館の皆様、解説してくださった進藤学芸員に感謝申し上げます。