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現地学習:宮簀媛命ゆかりの地 大高を訪ねて

2022年4月4日

歴史の里マイスターの会の現地学習「宮簀媛命ゆかりの地 大高を訪ねて」を開催しました。

 

古代史ファンには絶大な人気を誇るヤマトタケル。古事記や日本書紀にもたくさんの説話があり、日本中のいたるところに関連する地名や伝説が残ります。ヤマトタケルが用いた剣が「草薙剣」であり、ヤマトタケルの妃である宮簀媛命(ミヤスヒメノミコト、ミヤズヒメとも)がその草薙剣を祀ったのが熱田神宮といいます。

 

ミヤスヒメとヤマトタケルの出会いの場がこの「大高」であるという伝承があって、古墳時代前期の古墳や由緒のある神社が存在します。また、戦国時代が好きな方にとっても「大高」は魅力的な史跡がいっぱいです。

気候も良く、史跡ウオーキングには絶好なこの時期に「大高」を歩こうということになりました。

JR大高駅で集合しスタート!

歩き始めてほどなくすると、菊の紋が入った倉庫がありました。

これは昭和3年に建てられたもので、天皇陛下のお写真と教育勅語が収められていたそうです。

現在は学区の資料倉庫となっているようです。こういった建物も貴重な地域の宝ですね。

 

そしてすぐ八幡社に到着。

鎌倉の鶴岡八幡宮から八幡神を遷したとの由緒になっており、NHKの大河ドラマで鶴岡八幡宮が取り上げられたこともありとてもタイムリー。この八幡社には一般の村人が参拝し、大高城にある八幡社には武士が参拝したとあります。

 

しばらく行くと秋葉社がありました。江戸時代後半、大高では火災が多く、火よけの神である秋葉社がつくられました。

旗を立てる石柱にも味わいがあります。

そして大高城跡へ

桶狭間の合戦で松平元康(のちの徳川家康)が守った城として有名。

先ほども説明した村の中の八幡社と対をなす八幡社が鎮座しています。

 

登ると大高の町が一望できます。その景色に参加者が思い思いに感想をのべます。

大高城跡から降りてきて、こんなのを発見。(本町公会堂の鬼瓦)

大黒様とえびす様!(^^)!

 

このあたりは酒蔵もいくつかあり、マイスターの会の酒豪たちが色めき立つ。

とても興味深い「石神白龍大王社」に到着。

石神は「ミシャグジ様」なのか、「古墳の石室の石材を祀った」という説もあるといいます。祀られている石をみると「そうかも」とも思えます。

本日のメインの一つ氷上姉子神社へ

 

神社の由緒書きより

古代尾張の開拓伸であった天火明命の子孫で、当時の尾張国造として、火上(火災があり氷上と改められたとの伝承あり)の地を本拠としていた乎止与命(おとよ)の館跡(現在の火上山山頂近くの元宮の地)に宮簀媛命を御祭神として仲哀天皇四年に創建された由緒深い神社です。

持統天皇四年に現在地に遷座されました。

 

ヤマトタケルノミコトが東国平定の帰途に留まって、ミヤスヒメノミコトと結婚されたという伝承があります。古事記のエピソードがとても面白いので読んでみてくださいね。

氷上姉子神社の元宮(火上山)から山道を縦走し、斎山古墳(斎山稲荷社)へと歩きます。途中、古代の王も見たであろう名古屋を一望できる場所があり、ここに古墳が造られた意味をかみしめます。

 

斎山古墳は直径約30mの円墳(前方後円という説もある)、埴輪が出土しています。

最後は名和古墳群へ。1号墳は横穴式石室の後期古墳。須恵器や鏃が見つかっています。

 

約2時間半の行程でした。とても有意義な古墳、神社、お城巡りとなりました。