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2022年研修旅行~2日目 今城塚古墳~

 2日目、昨日の疲れも何のその、元気に今城塚古墳へ出発です。

 JRとバスを乗り継いで、紅葉の木々が美しく輝く広い公園に到着。今城塚古墳は、集濠、周堤も含め、市民の憩いの場になっているのです。

 被葬者が継体天皇とほぼ特定されていても、御陵と比定されていないので、宮内庁によって管理されていません。発掘調査も十分されており、自由に墳丘に上がり見学することができます。「我々にとってもラッキーだね!」とすかさずJさんが声をあげました

 墳丘の各所に掲示板が設置され、重い石室を安定させるための石室基盤工の跡や、墳丘内石積み、排水溝の跡などについて解説がされています。今城塚古墳が最先端の優れた技術によって築造されたことがよく分かります。

 

 そして、なんといっても圧倒されるのは、古墳北側内提に復元されている埴輪祭祀場です。230点を超える精巧な作りの形象埴輪……思わずKさんが「生前からこれを作らせていたこの古墳の被葬者の強大な権力がわかる。」とうなります。

 4区に区画されながらも出入り口となる門が設けられたこの埴輪祭祀場の埴輪群像は、王の殯の様子と、新首長へと権威継承させる儀式を、時間と空間(場)を追って再現しているのではないかと考えられています。(様々な解釈あり)

 

 

 その後、隣接する古代歴史館を見学。

今城塚古墳の3つの家形石棺(二上山白石・竜山石・阿蘇ピンク石)のレプリカに「う~ん、すごい重量。」「どうやって運んだんだろう?」と皆、ため息が止まりません。継体天皇以外の2人の被葬者は誰なのか、こちらも大きなミステリーです。

 

 午後、今城塚古墳や太田茶臼山(宮内庁が継体陵と比定)の埴輪を生産していたという新池遺跡、ハニワ工場公園へと移動しました。ここでは多数の埴輪窯の跡と、3つの埴輪工房(作業所)の跡を見学できます。中でも最大級の18号窯では、今城塚古墳の埴輪を10回にわたり焼いた形跡を当時のまま見ることができ、1500年前の工人たちに思いをはせました。

 2日間の研修旅行もそろそろ終わりです。

 コロナ禍の中、安全に旅行を終えられたことに感謝し、たくさんの思い出を胸に家路につきました。