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穂の国を探る!! 馬越長火塚古墳群(国史跡)と権現山古墳群

 2024年1月16日 会員17名の出席で、強い寒風が吹き荒れ中、豊橋市文化財センタ−所長の岩原氏にご案内いただき、宮西古墳、馬越長火塚古墳群、権現山古墳群の現地研修を行いました。

 センタ−長に熱く、熱心で、わかりやすい「穂の国」の古墳の解説をして頂き、会員も寒い中、時間を忘れて聞き入った2時間半でした。

 

 午前10半に現地直行組とバスの利用組が宮西古墳横の駐車場に集合、

 センタ−長と合流。(まずは全体的な説明をまとめた資料を元に解説頂く。)

①宮西古墳

 宮西古墳は、馬越北山古墳群の中心となる古墳で、馬越長火塚古墳とほぼ同時期の6世期末の築造とされている。今回は普段は入れない石室の中に入れていただけた。

 天井はド−ム状に丸味をおびた典型的な三河地方の石室であり、使用されている石材は至近で産出する石灰岩が主に使用されている。

 

②馬越長火塚古墳群

 この古墳群は馬越長火塚古墳(前方後円墳)・大塚南古墳(円墳)・口明塚南古墳(円墳)の3基からなり、6世紀末〜7世紀のはじめにかけて続く首長墓の系譜であると、その発見された豊富な出土品から指摘されている。特に、馬越長火塚古墳より出土した馬具の副葬品は国の重要文化財に指定されており、通常は観ることが出来ないが、今年のゴ−ルデンウイ−ク期間中に豊橋の美術博物館で展示される計画がある。

 是非拝見して、穂の国について見識を広げたい。

 さあ待望の馬越長火塚古墳の石室に2班に分散して入る。

 

 石室の特徴(前室+後室の複室構造、玄室の胴張、奥壁の1枚石等の三河型)、「使用されている石材は主に近くの弓張山系でとれるが石灰岩とチャ−トが少し混在している。」等々の解説を受け、会員同士でデスカッションをして理解を深める。

 柿畑が続く中、大塚南古墳・口明塚南古墳を見ながら権現山古墳群に向かう。

 

③権現山古墳群

 この古墳群は、1号墳・2号墳の2基の前方後円墳からなる総称で、古墳時代前期に豊川中流域を支配した王の墳墓である。

 

 権現山(標高65m)の山頂に2号墳(全長33m)が位置し、3世紀後半の土器が出土している。

 1号墳(全長38m)は南の尾根にあり、葺石は山の角礫と豊川の円礫が使用されている。また後円部には竪穴式石槨が確認されており、蓋石には白い石灰岩が使われている。

 

参加した会員より、以前はこの古墳を見つけるのに苦労した。

山に登る階段も整備され、つかまり用のロ−プもある。随分手が入っている、との感想。

 ほぼ予定のコ−スを巡り、13時に朝集合した宮西古墳横の駐車場に到着。以前に訪れた会員や初めての会員より「現地解説をして頂くとリアル感が違う。穂の国の存在感を認識することが出来た」と言った感想が多く寄せられた。参加者全員で岩原センタ−長に感謝とお礼を申し上げ、車直行組とバス組は現地解散をした。

 

 次にバス組は和田辻󠄀まで移動。遅いランチを取り、2時半のバスに乗車して豊橋駅に3時過ぎに到着。オプション参加者(豊橋市文化財センタ−訪問)と不参加の面々が豊橋駅にて解散となった。

 

 大寒も近く、大変寒い1日であったがリタイア者もなく、それぞれの思いを残した、穂の国を探る現地研修となりました。皆さんお疲れ様でした。

 

 現地解説をして頂いた 岩原センタ−長様、参加した会員の皆さんに感謝です。有り難うございました。

 

文責:当日の幹事